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[no.2288] 2024年5月4日  山岸伸写真展「靖國の櫻」(靖國神社 遊就館/5月6日まで)を見に行った。久しぶりの靖國神社、僕なりの「靖國点描」を撮ってみた・・・

 

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ゴールデンウィーク前半は雨交じりのぐずついた天気だったが、後半の5月3日からは見違えるような爽やかな五月晴れとなった。3日、連休に入る前にと思い郵便局や銀行などを廻った。ここ数年、家の周りの畑はどんどんと潰されて、新しい住宅が次々に建っている。全国的には、恐ろしいほどの人口減少が激化しているが、僕の住んでいる朝霞は、ここ毎年人口が増えている。それも若い層、子どもたちがである。小・中学校でも学年のクラスが10クラスになったと聞いた。そんな影響もあるのだろうか、武蔵野の面影が残る畑が消えていくのは寂しい限りである・・・ (家の近くの光景)

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5月4日、この6日で終わってしまう友達の山岸伸さんの写真展へ行った。7日からはしばらく都内には出れなくなくなるのでどうしてもと思ったのである。超多忙の本人とは会えず・・・。

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この日が5月~6月のうちでは、都内に出る最後の日だと思い山岸さんの後は、石川真生さんの土門拳賞受賞作品展、東京写真美術館で行われている「没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる」を見いくつもりで意を決してきた。しかし、山岸さんの写真展を見て、大きな靖國の境内を歩くうちに疲れ果ててしまった。意欲が失せてしまったのだ。途中、ベンチにしゃがみこんで何度か思案したが、やはり自らの身体をいたわり、いまは無理をしないことにした・・・。

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それで、これらの写真をトボトボと歩きながら撮った。僕なりの「靖國点描」である。

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大鳥居の門柱。

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境内に張り出されていた山岸伸写真展のポスター。

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写真展会場の入り口。遊就館の本館一階ギャラリー。少し奥まったところだが、外国の人もふくめて入場者は入っていた。山岸さんの人柄が出ている優しい作品だった。「日本人の心がやどる」と副題についていたが、僕には山岸伸のこころがやどっているように思えたのである・・・。

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この館の中は、戦時中の陸海空の軍事品が飾られていた。途中まで無敵と恐れられ活躍したゼロ式戦闘機の前に、軍服に似せた服を着ている人たちがいた。また境内には、グループで軍歌を謳い、敬礼などと繰り返し叫ぶものいた。A級戦犯はともかく、戦争で亡くなった人々を鎮魂する場にはふさわしくないと思った。世界から多種多様の人間がお参りに来ている場として違和感を感じたのである。僕の叔父さんも若い命を中国大陸に散らした一人であった・・・。

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黒人の参拝者。

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子どもも若い人も、参拝に入る時と終わって出る時に、きちんと深々と本殿に向かって礼をする光景に少し戸惑ったのである・・・  合掌

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